テレビが似合う人
BGM is " Stranger"song by Billy Joel.

巨大マグロが水揚げされる神奈川県三崎市に、マグロ料理の専門店がある。
ここの店主が変わった人で、海坊主のような出で立ちで厨房に立ち、
三つ編みにした顎鬚を揺らしながら、行列の出来る創作マグロ料理を作っている。
目標が「マグロで世界征服を狙う」のだとか。変な人だ。
なので、その人の紹介シーンには敬意を込めてStrangerという曲を使った。
店主も変な人なら、それを取材するウチらも変な人だった。
普通の人ではテレビなんか創れないと思っている私は、変な人を心から愛している。
変な人こそ尊敬すべきであり、変な人こそ面白い番組が創れると本気で思ってる。
 
*敏腕ADの場合
リサーチを任せると、大量の深い情報を探し出してくる敏腕ADがいた。
毎回夜遅くまで会社に残り、たまに居ないと思えば外回りをしているほど熱心な彼。
ところが、女性にはめっぽう頭が上がらないらしい。
例えば、泊まり明けの編集作業の後、朝イチでプロデューサーのチェックがある日。
普通なら仮眠を取るのだが、彼は深夜でもタクシーで帰宅して彼女と同伴出社する。
更には、出張でマイルを貯めて、しっぽりと二人で旅行に出かけてしまう始末。
この業界、時間の約束が出来ないだけに独身率が高いにも拘わらず、
彼の周りだけ1日が30時間あるのじゃないかと思う。
 
*敏腕グルメディレクターの場合
寿司や焼肉特集なら右に出る者がいないというグルメディレクターの話。
この方、雑誌社も顔負けじゃないかと言うくらい豊富なデータを持っており、
料理も相当美味しそうに撮ってくる方である。
もちろん、ロケの後はスタッフみんなで取材先で食事をするのだが、
行列店の寿司や焼き肉を前に、なぜかこの方は料理には一つも箸をつけないと言う。
実はこの方、胃腸が相当弱いらしく、食べるとすぐにお腹を壊すらしく、
一度調子を崩せば、撮影どころじゃないのだとか。
そんな状況でどうやって食べ歩いているのかが不思議な方だ。
 
*敏腕報道記者の場合
緻密な取材で何本もスクープを撮る、ある敏腕報道記者の話。
その腕は警察よりも先に、殺人事件で使われた刃物を見つけ出す程だ。
事件発生と同時に全国各地に飛び回り、とにかく地撮り取材を続ける。
時には凶器を見つけるために問屋だけでなく産地まで行って取材する。
だが、調べている間テープは1秒たりとも回らない。
カメラマン曰く、丸一日カメラを回さない日も珍しくないとか。
若手記者なら、その日のニュースに間に合わせるために
何が何でも撮ろうとしてしまうだけに、この余裕はすごい。
なんでも、「犯人の気持ちになって"捜査"すれば、自ずと事件が見えてくる」そうな。
いやいや、ウチらがやっているのは取材ですって。
 
*敏腕政治記者の場合
毎週火曜と金曜は、総理と大臣が集まって会議をする閣議の日だ。
閣議後、各大臣の記者会見があるのだが、そこであったエピソード。
会見後に大臣が「今朝、自宅前に人糞らしきモノが放置してあった。」と発言。
あまりに場に合わない発言に、記者の間でどよめきが走る。
そんな中ある記者が「大臣、なぜ人糞だと分かったのですか?」と質問。
実はこの記者、大臣の張り込み取材を行っていた矢先、突然お腹の具合が悪くし、
コトもあろうか大臣の自宅前で用を足してしまった張本人。
誤魔化そうとしたものの
大臣による、詳細な現場の状況説明で逃げ切れないと思ったか(?)
正直に告白。さらにその正直さ(?)から大臣と仲良くなったという話。
G.ワシントンの桜のエピソードは日本にもあったようだ。
 
この人たちもそうなのだが、そもそも変な人というのは、
自分で自分を変だとは思ってない。
むしろそれが普通、世間の常識だと思っている。
ちなみに私は、自分が変な人だという自覚は無い。
あれ?…もしかしたら私も変な人なのかも?
(2006/08/08) 

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