しゃべっちゃダメ!
I’m wanna be elegant people.

最近、やたらとテレビやラジオに出させていただく機会が多い。
と言っても、テレビは自分が作るVTRでのリポート役が多く、
ラジオでは知人の番組でのフリートークを要求されることが多い。

TVでのリポートは、あらかじめ原稿を用意するので文章の推敲が出来るし、
間違っても撮り直しが利くのだが、ラジオではそうはいかない。
ありのままの自分を曝け出すことになるので、間違ってもOKなのだそうだ。
同じ演出家として、“ありのまま”がラジオには良いのは分かるのだが、
最近この“ありのまま”が曲者なんだなというのが分かった。

先日お邪魔したFM番組も収録後に注意されてしまった。

「everyさーん、あの発言は放送できないよ〜。」

ついうっかり、放送禁止用語を話してしまったのだ。
プロなのに。とほほ。

 

「コレだけ汗かいてりゃ、土方の人と同じだよ」
「あの人って虎キチだから、阪神ネタ強いよ」
「スキンヘッドの外人ばっかりじゃん。」
「最近のマスコミはよくチョンボするからさ」

ご存知の方も多いが、これらはすべて、
いわゆる放送禁止用語と言われる、放送上グレー若しくはNGな表現である。

ちなみに“放送禁止用語”は正式な呼び名ではない。
各社によって呼び方は違い、その基準も各社...というより番組によって違う。
共同通信社は、差別語・不快用語として記者ハンドブックに掲載しているし、
NHKでもガイドラインを設けて現場に周知徹底させている。

先日、あるバラエティ番組でお笑い芸人さんが番組内で
「気でも触れたかのようにケラケラ笑ってさ」
と突っ込みを入れていた。

これは報道の現場からすれば相当危険な表現に聞こえたと思う。
番組ごとに基準が変わる放送禁止用語は、
現場の判断に左右される、単なる自主規制にしか過ぎない。
共通しているのは「不快に感じない表現」ということだけ。
もちろん、アナウンサーやナレーターなど喋りを生業としている人は
“概念”をキチンと身に染みているのは言うまでもない。

 

放送禁止用語が生まれた経緯や背景は、現場の人以上にいろんな人が
web上で研究発表しているので、そこを参考されたい。
そして、現場も含め多くで指摘されているのが
放送禁止用語が、言葉狩りにもなりかねないということだ。
何より、スラングとしてうっかり使ってしまいそうな言葉まで、放送できないこともある。

「この前床屋さんに行って髪を切ってもらったんだよね」
この床屋という表現も、原則NGである。正しくは理髪店(共同通信の場合)。

そうは言っても、街頭インタビューでついうっかり使っちゃう方も多い。
ラジオのフリートークでうっかり口にしてしまう人もいる。
多くは“文脈上、差別的意味を含んでいない表現であれば、
好ましくはないがグレー”として、しれっと放送されることもある。

まさしく、明確な線引きがされていないが為のチカラ技。
このチカラ技がなければ、本当に言葉狩りになってしまう。

 

とは言っても、放送人が使ってしまうというのもヨロシクナイ話。
言ってしまえば、

「放送人たるもの、普段から言葉遣いを気をつけ、上品なレディ&ジェントルマンになれ」

ということなのだが。
田舎出身の私には努力が必要のようです。
…あ、この表現もNGね。

(2006/11/12)


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