怒られるのも仕事
Reason why,he is angry.

 いやいや、二ヶ月ぶりです。本来なら、ADには時間がないもんで、呑気に自分の
HP更新なんぞやってる場合じゃない商売です。そんな暇があるなら映画を見ろ!
テレビを見ろ!と、将来の伴侶を探せ(笑)!と言われてしまうんですよ。いや、
ホンマ。
 で、そんなADのお仕事は、常に誰かに怒られるモンです。失敗しての時もあるし、
八つ当たりの時もあるし、「飯がまずい!」に代表される理不尽な理由の時もあります。
まぁ、代表的な業界を去る理由として、この理不尽さが原因になることも多々あるわけで。
要するに、現場の掃き溜めにされるわけですな。
 しかし、掃き溜めというポジションだからこそ、現場的には必要な人材だったりする
場合もあります。

 例えば、ドラマの制作現場での話。その日は"電話しながら無言で涙を流す女の子"の
シーン。しかし、現場に来たのはカメラがあるだけで緊張してしまう程の新人。
もちろん現場でそう簡単に涙なんて流せるわけがない。目薬を使って誤魔化しても、
顔の表情にリアリティがない。となると、現場には次第にイライラした空気が流れくる。
本人も分かっているのだが、如何せんうまく出来ない。
 そこで監督(ディレクター)が、いきなりADを呼び付け、いきなり怒鳴りだした!

「お前!一体いつになったら撮影できるんだよ!何時間もかけて、
機材もスタッフもタダじゃないんだぞ!それだけ払えるのかよ!」


 一瞬流れる、緊迫した空気!ホントの原因は涙を流せない彼女であるのに、
明らかに理不尽にも思える怒り方!平身低頭で監督に謝るAD!彼女の心に
降り積もる罪悪感!

で、彼女は涙を流した。

 お察しの通り、彼女を泣かせるための芝居に出たというわけだ。幸いにも(?)、
現場のADを始め、スタッフは勘のいい人ばかりだったので、すぐに監督の意図を
読み取ったとのこと。背を向けながら申し訳なさそうに謝るADの姿は、事情を知らない
彼女の罪悪感を刺激したに違いない。
 なかなか自分がオーバーフローの状態で怒られて、状況把握が困難なのが現状
とは言え、あくまで現場を円滑にまとめる役目としての"怒られ役"は、確かに存在している。

 …ちなみに、その現場で事情を理解していたADとスタッフは、彼女に背を向けながら、
笑いをこらえるのに必死だったとか。

(2003/07/12)


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