緊急報告!日朝首脳会談舞台裏
What's happen in press section..?

 日朝首脳会談が終わった。
 知ってのとおり、北朝鮮と日本には国交がなく、あまりよろしい関係にない状況の為、
全く手探りの状態での会談だったと思う。無論、マスコミもそれは同じこと。
過去の首脳会談から予想しようとしても、情報そのものが不足しており、
誰しもが「何が起きるか分からない」と感じていた。
・・そして、やはりと言うか
意外と言うか、予想外なアクシデントが各所で発生し、その対応で精一杯だった
…と言うのが、今回のマスコミの姿だっただろう。


1)技術面での翻弄

 TVと言えば、映像が命。今でこそ地球の裏側から生中継が可能な時代
だが、それは環境が整っている現場での話。つまり、中継できる機械を
用意できなければ、中継どころか、取材映像を日本に送ることすら出来ない。

 今回の中継回線は、必要分は確保できない状況が発生。そもそも
社会主義国家で情報統制のある北朝鮮。仕方なく、各社とも携帯用衛生通信機
KDDIのインマルサット)を持ち込むことに。通信費用は6秒84円。デジタル回線で
通信速度は64kbps。この回線に載せて映像を伝送し、(放送用カメラは殆どが
デジタルで録画している)TV電話を接続して生中継としても対応した。・・つまり
PHSを使ってインターネットをするのとちょっと似ている。(ちょっと乱暴な説明?)

※ちなみに、通常のTV用衛星回線は、各TV局用の回線+プール回線が
 必要になる。プールとは、各社共通映像とも呼ばれ、簡単に言えば、
 誰でも自由に使える映像用である。各社共通映像を残せば、もし
 自社取材でトラブルが起きても最悪その映像が使える。若しくは、
 取材制限がある場合、代表カメラ一台に任せる場合もある。
 
金正日と小泉首相の握手映像はまさにこれ。

2)制作面での翻弄

 情報面でも、手探り状態は続いた。会談前は、一部の安否情報は"予想"と
いう形で流れていた。例えば、横田さんや有本さんは、比較的足取りが
判明しいたので、北朝鮮も隠蔽は出来ないだろう・・と。
ひょっとすると
会談会場に現れるかもしれない…
など。ただ裏取りが取れず、各社とも
放送できずにいた。

 こういう状況だったので、安否情報が発表された段階で各社とも大慌て。
予定していたニュース構成は全て差し替え。報道センターは大混乱。これ程
多くの人の死亡は誰にも予測不可能だった。
ショッキングな結末だったが、
あれ程事件慣れしている報道センターが、やるせない空気に包まれたのは
珍しいことかも知れない。

 そして、表現の問題日本は立場上、北朝鮮を国家として認めていない。
台湾などと同じ扱いである。(詳細は歴史の先生に聞いてくれ)…ということは、
これに従うとしたら、アナウンス原稿にも影響が出てくる。「両国」,「二国間」
などといった、"国"という表現は一切使えない。…まぁ、逆ってもいいのだが、
逆らう明確な理由がないならば、国の方針に倣うこととなる。

 

 それにしても、毎度の事ながら驚かされたのが、NHKの情報の早さである。
拉致被害者の安否情報を真っ先に出したのもNHK。その後約10分ほどの間に、
民放各社が、こぞって第一報を出すという形になった。まぁ、会談前の北朝鮮との
準備段階で、ある程度のことは外務省の人たちは知っていた…とはいえ、
それらの筋や自民党の関係者、そして現地取材での情報収集能力は、
相当高い
んだろうな。
 …ちなみに、この手のことで一番情報が遅いのが通信社。安否情報第一報は、
共同通信が遅かったもんね。

 いずれにせよ、今回の会談は、北朝鮮側がかなり譲歩してきている対応をしてきているあたり、
この先の関係改善に向けては良い結果となっただろう。まぁ、小泉首相と金正日が
同い年
だから意気投合したかも…って、そんな単純な話じゃないか。(笑)
 国交が回復したら、せめて情報インフラと、訳の分からない軍国主義だけでも
なんとかしてもらいたいものだ。

(2002/09/21)


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