憂世の沙汰は金次第
Things at the worst will mend.

何をするにしてもお金がかかる世の中。
無論、テレビ番組を作るにもお金がかかります。

いくら放送局が儲かっていても制作費が一律で倍増する事も無く、
一般企業と同じようにちゃんと申請しないと上がりませんし、
臨時支給も稀な話。
無論、赤字を出せばプロデューサーが怒られます。

赤字が発生しやすいと言われるのが、報道局やワイドショーなどの制作局。
半年や一年前に来期の事件事故が予測できるわけなんてなく、
得てして赤くなりやすい。
昔は、制作・演出面で他の制作セクションに劣っていた報道も、
"作りこみ"の多い番組が増えてきた。

それが好評であれば、さらに懲りたくなるのは人の性。
そうなると必然的に経費もかさむ。
夕方のニュースを筆頭に報道局主導の番組が拡大する昨今、
その制作費は上がる一方だ。
例えば…


○取材スタッフを頼めば1回十数万。
○ヘリを一機飛ばせば1時間数十万。
○中継車1台出せば1日数百万。
○中継をすれば電波だけで10分数万円


…どれも報道には欠かせない要素だが、結構お金がかかる。
とはいえ、賢いところは年間契約など包括契約を結んで経費を浮かせており、
そういった環境では使わないと損と言わぬばかりのように使いまくる…
という事もあるらしい。

通常、番組スタッフが使った費用はその番組が負担する。
が、ニュース取材は部内各所の割り勘になる。
朝の番組も夕方の番組もみんなで取材するからである。
よって、番組の予算を預かるプロデューサーは
突発の出費に備えないといけない。

例えば、2005年春に起きた日本兵発見騒動。
結局ガセだったにもかかわらず、
海外中継回線代だけで200万も無駄にした局もあるとのこと。
それに加え、現地に飛んだ記者の出張代・中継準備・先々の人員配置費用などが
すべて水泡と化してしまった。もったいない。

お金が少なくなると、プロデューサーは
財政改革案を会社に提出し、現場の私たちに緊縮体制が敷かれる。

私が所属した番組も赤字になれば例外ではなくロケの出動回数を制限され、
地方撮影も取りやめる
決定が出た。
更になぜか評判だったコーナーがなくなり
改編時期以外にスタッフ(なぜか評判が悪い人ばかり)が去り、
人員補充も無い。
これにより、数千万円の赤字(報道では少ない方らしい)
年度内に消化
する事に至った訳である。

人員も、評判だったコーナーも結局は先立つもの次第。
なかなか…というか、相当シビアな大人な世界である。
とはいえ、時間と金があれば良いものが出来るのは当たり前。
我々プロは、いかに制限された環境で面白いものを作るかを考える
のが仕事
なわけで。正に自分の脳ミソで稼ぐお仕事。
要は、企画力・演出力。

…私もリストラされないように頑張らなきゃ。

(2005/08/10)


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