だからマスコミは嫌われる |
★スクラム組んで、報道合戦?
今回の拉致被害者帰国関連のニュースは、マスコミの過熱防止のために報道規制が
ひかれている。この規制が敷かれないと、いわゆるメディア・スクラムの(集団的過熱取材)
という状態に陥り、各社が関係者に集中的に取材攻勢をかける状態になる。
そうなると、取材対象者の都合も人権も、"報道の自由"という名において、
完全に無視されてしまう。
で、この状態を避けるための、ある一定のルールを設けている。俗に言う、自主規制だ。
よって、毎日朝と夕方のいずれかには、拉致被害家族による定例会見が行われる。
同時に、17時頃までには翌日のスケジュールと、被害者の出先の取材可否が連絡される。
もちろん、取材可能なところでも「代表取材のみ許可」というのもある。
(代表取材に関しては"日朝首脳会談舞台裏"を参照)
これにより、被害家族近辺は静かになる・・・予定であった。しかし、そこはマスコミ。
予定表に記載されている規制のスキ間を狙っての取材攻勢。例えば、移動ルートの
途中での張り込み、被害家族実家近辺での張り込み。終いには移動中の
車の追っかけは禁止されているにもかかわらず、取材車と分からないように尾考
までする始末。もう既に、地元自治体からマスコミ各社に文書で苦情が来ている
というのに。こういうことをする輩がいるおかげで、マジメに取材活動をしている
我々まで迷惑を被ってしまう。
まったく、ふざけた話である。
★もしあなたが、事件報道を受けたら・・・
では、もしもあなたが何らかの事件・事故に巻き込まれたら?しかも、それが社会の
注目を浴びるような事件であったら?あなたが浴びる取材攻勢とはどのようなものか?
まず、警察の取り調べが終わってやっと一息ついた頃、あなたの家にマスコミ各社から
電話がかかってくる。テレビ局だけでも、都内なら6社あるが、地方ならば主要6社以外にも、
その地方のテレビ局からも電話が来る。併せて、雑誌社やラジオ局からも連絡が入る。
その電話は、事件が大きいほど電話の数は計り知れない。仮に、警察に「住所を公表
しないでください」と依頼しても、マスコミは、周辺近所の聞き込みで(地撮り取材ともいう)
あなたの連絡先をつかむだろう。意外と近所の方々は噂好きなので、我々の口車に
簡単にのせられてしまう。
仕方なく、あなたはあるマスコミのインタビュー取材を受けることとする。しかし、我々が
狙っているのは、"涙"や"怒り"などの感情の発露シーン。我々が言わせたいコトバが
発せられるまで、何時間でも居座る。悲しいかな、インタビューは、取材側に既に
シナリオが用意されてて初めて成立する物である。例えそれが報道であっても。
しかも、一社に応えてしまうと、他社からは「どうしてあそこは良くてウチはだめなんだ?」と
取材要請がやってくる。仕方なく再び取材を受けても、聞かれることは同じ。しかも取材側は、
少しでも他社よりもいいもの(発言)を狙うので、前回以上にタチが悪い。正直、慣れてても
これはたまらないと思う。
これら取材班は、テレビ局ごとにではなく、番組ごとに取材班を送り込んでくる。もちろん、
一番組で二班や三班も出すこともある。それが大きな事件なら、通信社や海外メディアも
来るだろうし、もちろん雑誌社も来るだろう。かといって、これらの過熱取材で被害を
被ったとしても、我々はなんの後始末もしない。"報道の自由"というコトバを盾に。
見てくれる人がいる以上、注目を浴びている以上、そして他社が取材をしている以上、
私も取材しなくてはいけない。すこしでも他社に勝つために。倫理的なことは、我々も自覚は
しているが、如何せん商業主義なマスコミは、分かっていても確信犯的にこういうことを
やってしまうのだ。
だから、マスコミって嫌われるんだろうな。
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