悲しき民間放送の定め
TV sponsor is too much for TV station.

 今週は日朝首脳会談の話で持ちきりだったが、その前に東京電力の
調査報告書の隠蔽騒動
があったのは覚えているだろうか?
日朝首脳会談のニュースと同時期に起きたためなのか、
ニュースバリューの差で小さく取り上げらる結果になった。


そんな時あるディレクターが、ADだった私にこんな話をしてくれた。 
そもそも、大企業のスキャンダルとなれば、 
新聞・雑誌・テレビなど、全マスコミが飛びつくようなネタなのだが、
 
電力・通信会社系の話になると、テレビはちょっと及び腰になってしまう。
悲しいかな、民間放送が広告収入を飯の種にしている企業である限り、
電力・通信系企業といった大スポンサー様にはアタマが上がらない。
確かに、NTTの系列会社(DoCoMoなど)のCMは、よく見かける。 
電力系通信会社(東京電話など)になると尚更だ。...主観だけど。

なるほど、不思議なことに、夕方になるとあちこちのニュース番組に
電力会社がCMを出稿している。
なぜか天気コーナーが多い。
もちろん悪いこととはいえないが、確信犯としてやっているのか?
現場にいる者として、どうしても電力会社系のスキャンダルは
ニュースでは小さく扱われてしまう印象がある。
いわゆる"配慮"なのだろうか?

耐震偽装問題、牛肉偽装、雪印事件の報道と比べれば、
“配慮”の形は一目瞭然である。
“配慮”については、既に多くの本で取り上げられており、 
海外には、スポンサーなしで報道番組が作られているところもあるとかないとか。 
番組一本制作するのにン千万するという中、なかなか大胆な事をなさる。

ところで私の出身地の北陸地方は、原発銀座なんて呼ばれており、
関西圏の電力はほとんど北陸で賄われていると言っても過言ではない。
そう言う環境で育ってきたせいもあって、電力会社関係のニュースと聞くと、 
すぐに「原発絡みか?」と思うのは県民性なのかもしれない。 
沖縄の米軍問題もそうだが、全国ニュースで大きく取り上げられない話でも
往々にして、地元にとっては大きな問題だったりする。 

そういえば、高校生のときに学校祭で「原発の安全性とわが県の未来」
なんてテーマで発表したっけ。

そのような地域なので、電力会社の一社提供の番組がたまに放送される。 
とある地方局の方曰く、電力会社から出る金が、平均の数倍以上の金額になるとのこと。 
どう考えても、金のかかる構成でもないのにも関わらず、だ。
そんなドル箱企業に対して、誰もケンカを売ろうとは考えない。
しかも、電力会社が制作する番組。
もちろん"原発は危険"なんて番組を作るわけがない。
この話を教えてくれた地方局の方曰く、若手局員が
「検証!原発事故問題」なんて企画書を提出しようものなら、
上層部パワーにより企画成立には至らない
のだとか。

このことは、地方に行けば行くほど顕著になるとのこと。
なるほど、いち地方企業以上のリターンが、電力系企業にはあるという訳だ。

テレビほど分かりやすく、すぐに沢山の人に話が広がるメディアはない
・・・と言えども、民間企業故に、資本の力には敵わないのがの悲しき姿。

"配慮"と言う名の下に、ジャーナリズムの精神は圧力を受けてしまうのである。
そう言った意味では、雑誌や新聞の方が信頼できるメディアなのかも知れない。
文字だけ故に分かりにくいが。 "映像つきの雑誌"なんて出来たら変わるかも(笑)

(2002/09/22)


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