スクープをねらえ! |
改編期になると、「警視庁密着24時!」というテイストの特番が放送される。
毎回放送すると言うことは、それなりに好評が故にほうそうするようで、
夕方のニュース番組でも「○○密着」ネタが、しばしば放送されるようになった。
こういうネタで一番インパクトがあるのが、犯人逮捕の瞬間である。
先日、渋谷のとあるパトロール隊に密着取材に同行した。
だがしかも、技術スタッフの都合がつかず、
ディレクターと私の二人が、デジタルカメラを持ってのロケである。
もちろん、我々に課せられた使命は、
パトロール中のスクープを狙うことなのは、暗黙の了解である。
現場に着くと、既に他局のスタッフも来ていた。当然技術スタッフつきで。
そもそも、テレビの世界では、"技術"と"制作"に分けられる。
"技術"というのが、カメラマン、照明さん、音声さん...など、いわゆる機械に携わる人。
対して、"制作"は演出担当であり、ロケ現場での指揮は、制作が執る。
私はADなので、"制作"である。
...と、いうことは、ナンボ経験のある制作の人でも、プロのカメラマンにはかなわない。
この状況下で言えることは、
技術スタッフ付きの他局と、私たちとは撮影できる映像に雲泥の差がある。
明らかに我々が不利だ。相手は警察と連携を取っている。
ちなみに、各都道府県警には、記者クラブがあり、そこに常駐する記者がいる。
警察絡みの取材をするときには、そこを通じて警察に挨拶をしておくと、
現場でモメる事がないので有り難い。
警察ネタばかりやっているディレクターは、
記者クラブの人はもちろん、署の人間とも仲良くなっていることが多い。
中には、スピード違反を工面してもらったり、
ゴハンをゴハンをごちそうになったりしているディレクターもいる。
まぁ、警察にとっても、マスコミが取材することで、犯罪抑止の効果もあるから、
有り難い話なのだろう。
閑話休題。
今回は、パトロール密着だけではなく、急遽、張り込みも行うことにした。
取材先までタクシーで来たものの、取材中まで待たせるわけにはいかず、
そのままタクシーを返してしまった我々は、犯人が現れやすいと狙った公園で、
路上生活者のフリをして(ちなみに、"浮浪者"は放送禁止用語)張り込むことに。
...こういう時、車があれば車内待機ができて楽なのに...。
余談だが、自民党の加藤幹事長の女性スキャンダル問題、
あの写真を撮影するために、週刊誌のカメラマンもやはり路上生活者のフリをして
張り込んでいたとか。
そして、もう一つマークしておかないといけないのが、ライバル局の動向。
案の定、私が張り込みポイントに向かう途中に、
他局のカメラマンが全力疾走する場面に遭遇!
後を追いかけ、他局の電話のやりとりを盗み聞きした結果、
お陰様で犯人摘発の瞬間に遭遇!必死にリポートしながらカメラに収めた。
※ちなみに、"いきなりの状況でのリポート"は、難易度が高い!
一度皆さんも、『原稿なし』・『カメラで撮影しながら』の状況で
リポートの真似をしてみると実感できるはず。
間違いなく、聞くに堪えないリポートが完成します。(苦笑)
...ああ、東海林のりこは、本当にすごい人だったんだね...。
「ちょっと卑怯じゃない?」とお思いかも知れないが、
同じ取材場所で他局が撮れてい、てウチが撮れていないという結果は、
惨め以外の何物でもなく、かなり油を搾られるのである。故に、
現場の人間には、石にかじりついてでも、他局以上の物を撮ることが求められる。
これはかなりのプレッシャーでもある。
結果としては、その犯人摘発の瞬間しか、カメラに収められず、
張り込みをした現場では、腕を蚊に十数カ所も刺されただけに終わった。
...そして帰局後、撮影したVTRをチェックして、ディレクターが一言。
「犯人を目の前にしての現場リポートぐらいしっかり撮れないのか!」
...せめて、スクープを収めたということは評価して欲しかった...(>_<)
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