身にしみる話
A modest attitude.

以前から、"アシスタントの仕事は雑用である"...ということは
何度も紹介してきが、取材対象者を捜すのもアシスタントの仕事。
多少のディレクターからの助け船が出るとはいえ、
食べ物ネタを始めとする、情報番組におけるネタ探しは、
アシスタントが探し出してきたネタの集大成
とも言えるワケで。

そうやって店情報をGetした後、下見をして確認し、
時にはゴリ押しして、渋る相手から取材許可を取ることもある。
こっちも、ネタがかかっているので必死に口説き落とそうとするが、
押しても引いても落ちない相手も存在する。
いわゆる"取材拒否の店"である。
毎回"頑固親父"が出てくるわ、怒鳴り散らされるわ、
挙げ句には、水を引っ掛けられて追い返される...
なんて事はなかなかないが、こういう人の中にはテレビで
ひどい目に遭った方たち
も多い。

*放送後の反響から...
テレビの力は本当にすごい。

視聴者の心さえつかめば、たった数分の放送で
半端じゃない件数の問い合わせが来る。翌日は行列必須。
通常営業なんてできる沙汰ではない…とのこと。
「こんなに反響がくるとは思わなかった」と、大半の人はそう言う。
無論、予想外なので店もオーバーフローしてしまい、
電話は話中、店に行けば行列で裁ききれない...
ということでの苦情も起きうる。
そうなると、今度は行列に迷惑する周辺からの苦情、
老舗だと同業者からの嫌がらせ電話など、一度悪循環にはまると、
どんどん深みに嵌ってしまうらしい。
比較的、家族経営の店舗が陥りやすい部分と言う印象が、私にはある。

*取材中の悲劇(?)から...
そもそも取材する側は、ある程度の演出プランを考えて取材しているもの。
よって、取材中に店側にあれやこれやと注文をつける。
大混雑の中をカメラが進むわ、客の流れは止めるわ、料理撮影になると
大量の箸とおしぼりを要求するわ、同じ料理は何度も作らされるわで、
とてもじゃないが通常営業どころじゃない。
そこまでした挙句の果てにカットにされた日にゃ、怒り心頭になる
...というパターン。

 

そういう状況下にも関わらず、
「取材してやってる」態度で店に取材に来る人間も未だに残っており、
そうなるともう最悪。
別番組でも"同じ局"ということで取材拒否にあうこともしばしば。

あるディレクターが「店取材は、相手側に迷惑をかける事だ」
話してくれたことがある。まさに納得至極。
「取材させてもらっている」という謙虚さが重要という、
私には身に染みる言葉。

 

コラムを通じて、何度も訴えていることだが、
"テレビが万能"でもないし"テレビが総て"なんて畏れ多い話。
だから、取材を受けても私達にチヤホヤなんてくれぐれもしないで頂きたい。
たぶん、自分なら間違いなく図に乗るだろうから。

とある、取材拒否にあった店から言われたが、
テレビは雑誌と違って一過性のものであり、
都合のよい先入観を持って来る人が多いとのこと。
勝手にイメージを膨らまし、
「テレビでやってたのと違う」なんて苦情もよくある。
雑誌は切抜きなどで保存できるからそういうことが少ないが...
とのこと。

...身に染みる話です。

(2004/12/28)


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