ショウほどステキな商売はない...というけど
Media war.

 開戦後一ヶ月を待たずに、首都制圧に至ったイラク戦争。既に
各メディアで盛んに言われているが、まさしく情報戦と言えるだろう。
一昔前とは違って、戦略の一つとしてメディアを利用することが
当たり前
のようになっている。
 そうやって戦争にも利用されるメディアだが、我々TVも一昔とは違って、
正に交戦中の現場からの生中継(外国の放送局だけど)まで実現する
ようになった。湾岸戦争の時はイラク側の対空放火の映像(暗視カメラに
ミサイルの光がバンバン見えるあの映像)
だけでも驚きだったのに、
もうその時とはワケが違う。
 また、ロイターをはじめとする各通信社は、バクダッド各地に無人の
固定カメラを設置。ニュースの時に出てくる子画面バクダットライブ映像
それである。
  *余談だが、大抵のカメラはイラク情報省のビル上に設置されて
    いる。それはいいのだが、バクダッドを知る人に言わせれば、
    カメラが向いている方向が、見当違いらしく、いわゆる空爆を
    受けるであろう場所に向いていないとのこと。
   ...正にホントにバクダッドお天気カメラ状態ってことか?(笑

 そして、戦争中の現場はもちろんだが、それを受ける各局の対応も、
一昔とはエライ違っている
ワケで。

◎賢明?それともケチ?フジテレビの決断

 カタールの衛生テレビ局"アルジャジーラ"(通称:アルジャ..って
私が勝手に呼んでいるだけだが)
。米テロのアフガン攻撃の時に、
頻繁に出てきた放送局である。ここは中東にあるニュース専門
放送局
であり、英国ならBBC,米国ならCNNなどにあたる。
 と、言うことは、ここと契約すれば現地の映像を確保できる..
のだが現地では視聴率50%超の最大手契約金がべらぼうに高いことで
有名。米テロ後のビンラディンの独占映像などで注目を集めたのを
きっかけに、値上がりしたらしい。いわゆる殿様商売ってやつである。
 そこでフジテレビは、アラブにある"アブダビTV"に目を付けた。
いわゆる、第二のアルジャである。国こそ違うが同じ中東。
しかも最大手ではないので、契約金も高くない..と言うわけで、
フジはアルジャとは契約しなかった。

 そして開戦。

 バグダッドにあるアルジャの支局は攻撃され、(米軍はあくまでも
誤爆と説明したが..)
開戦後のフセインの演説も、何故かアルジャの
回線が落ちて放送できず。アルジャと契約した各局は、当初
フセインの演説を完全な形での放送は出来なかった。

 現地の話によると、米軍がフセイン演説時にイラク国内で
電波ジャックを行ったため、イラク国内では演説は放送されなかった
とのこと。推測するに、アルジャもこの影響を受けたのではないかと
考えられる。
 要するに、結果的には、最大手に頼らなかったフジの勝利
と言えるわけで。



 ただ、アルジャにせよアブダビにせよ、各々で伝えるニュアンスは
違いがある。アブダビの伝え方は、どことなく欧米色がプンプンする
「アルジャはイラクよりだ」と揶揄されている
のも事実である。これらは
大なり小なり、それぞれ契約している放送局にも影響を与えていると思う。
  *再び余談だが、アルジャは、パレスチナ独立についてはイスラエル
    政府の見解を採り上げており、以前は「アメリカよりだ」と言わ
    れていたとか。世間って勝手だね。

 とは言った物の、戦争すらも商売にしてしまうメディア。戦争反対の
立場をとっている
とは言え、そして、伝える仕事であるとは言え、殺し合いを
伝える
というこの仕事に対して、改めて複雑な気持ちになるワケで。

(2003/04/15)


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